ゴールドマン・サックスのレポートについて
経済指標であれ要人発言であれ、何か出た途端に通信社や新聞社のサイトから配信されますので、スピードに関しては、インターネットにかなうものはないと思われます。
しかしながら、経済に関する様々なニュースやレポートの中で、いわゆるメディアを度外視した、一企業、一研究所の発表などがマーケットを動かす要因となることがあります。
これは、具体的には、2008年の米国ゴールドマン・サックスの「原油価格が1バレル200ドルまで上昇する」というレポートなどが該当します。
この当時は、世界的に好景気であった背景などもあって、プロの投資家までもがこれを信じていたようです。実際、NY原油価格はおよそ150ドルまで上昇しました。
しかしながら、これは典型的なバブル状態であり、その後あっという間に30ドル台まで下落してしまいました。
ゴールドマン・サックスのレポートは、理論的でファンダメンタルズをベースにした非常によいレポートであったのですが、中立性に欠けていたためにこのような結果になってしまったということのようです。
1つのレポートに市場が踊らされた顛末といえそうです。 |