現物の裏付けのない金ETFとは?
同じ金ETFであっても、現物の裏付けの有無によってパフォーマンスに差がつくことがあります。
というのは、現物の裏付けのある金ETFは、信用リスクがないだけでなく、投資家から集めた資金で実物を買って保管するだけなので余計なコストがかからないからです。
これに対して、現物の裏付けのない債券型の金ETFには発行体の信用リスクがありますし、債券を発行するコストもかかります。
また、仮に格付けが最上級の発行体であったとしても、信用力が落ちれば格下げによって資金調達にかかるコストが増えてしまいます。
そのような費用の上昇分が運用コストに上乗せされることから、パフォーマンスにも差が出ることになるのです。
金投資は分散投資効果を高める?
金価格は、株式や債券などの相場には連動せず、独立した動きをするといわれています。
実際、1987年1月から2007年8月までのおよそ20年間に及ぶ、不動産、国際株式、米国債、キャッシュ、米国株式の「金(ゴールド)」に対する相関関係を示したデータがあるのですが、これら5つの資産のうち、米国債とキャッシュ、米国株式は、「金(ゴールド)」に対してマイナス相関になっています。
一方、不動産と国際株式はプラス相関になっていますが、それえも0.1以下という極めて低い相関になっています。
このようなデータを見ますと、「金(ゴールド)」をポートフォリオに組み入れれば、分散投資効果がより高まるということがわかります。
ちなみに、株式相場が急落すると金ETFの売買高は急増するのですが、日本の金市場は、今それくらい敏感に米国株式の動向に反応しているといわれています。
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