原油価格について
金価格というのは、原油など商品相場全体の動きにも影響されます。
例えば、近年ですと、ニューヨーク原油先物相場が、1バレル=147ドルの過去最高値を付けた2008年7月にかけて、「金」をはじめとする商品相場が軒並み高騰しました。
インフレについて
インフレの進行で貨幣の価値が下落すると、世界的に普遍の価値をもつ「金」が買われやすくなり、金相場を押し上げることになります。
インド・中国の経済成長について
ワールド ゴールド カウンシル(WGC)によると、2008年の中国の金消費量は302トンで世界一、インドは同2位となっています。
このように、インドや中国では、もともと「金」の需要が高く、婚礼や子供の誕生日などのお祝い事で「金」を贈るのが古くからの習わしとなっています。
ちなみに、インド・中国は、世界同時不況後、再び長期的な高度経済成長を持続するとみられていますので、金需要も増加の一途をたどるものと予想されています。
年金基金の参入について
ここ数年、機関投資家が「金」の買い手としての存在感を高めています。例えば、米国最大の年金基金「カルパース」(カリフォルニア州職員退職年金基金)が「金」を積極的に購入する動きを示していることなどです。
世界同時株安やインフレ懸念などにより、分散投資の一環として「金」の保有割合を拡大しているものと思われます。
また、金ETFの登場によって、機関投資家が金市場に参加しやすくなったことも、この傾向に拍車をかけている要因となっています。
なお、年金や保険などの機関投資家は、新規に購入した「金」をほとんど退蔵するので、金価格を下支えすることが期待されます。
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